今年も早いもので4月を迎え、新年度(平成29年度)がスタートしました。気温もずいぶんと上がり、今週末には新潟でも桜の開花が宣言されるのではないでしょうか。
 病院の前を通る国道290号線は桜の名所が多数連なっています。病院へ来る道中は、否が応でも桜見物ができますので、花見がてらに病院にお越しいただくのも一興かと思います。

 桜が終わるとチューリップが色とりどりに畑を染め、そして田植えが始まります。木々の新緑が鮮やかに輝く季節。気候も穏やかで、これから新潟のベストシーズンを迎えます。

 さて、私が院長に就任したのは平成26年4月でしたので、ちょうど3年が過ぎたことになります。就任時、神経疾患、特に神経難病の専門病院としての機能充実に努め、情報発信もしていくという目標を掲げましたが、どれだけやれたか振り返ってみました。

 病院としての機能充実については、開院40年以上が過ぎて老朽化した設備を改善するため、一番老朽化し、狭隘化していた第2病棟と給食棟を移転新築し、昨年秋にオープンすることができました。診療に欠かせないMRIも昨年8月から最新の機種に更新しました。
 その後、旧第2病棟、給食室の改修工事を進めており、先月から広い会議室も使用開始されました。
 防火安全対策の工事も併せて行っており、現在も改修工事の真っ最中です。もうしばらくご利用の皆様にご不便をおかけすることになりますが、ご容赦ください。
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 院長室からの眺めもこんな感じで、足場の隙間から景色を見る状況となっています。
 今後は、第1病棟の改修をどうするかという問題がありますが、実現に向けて検討していきたいと思います。これからも順次改修を進め、専門病院としての機能をさらに高めていきたいと思います。

 情報発信につきましては、病院のホームページを一新し、ブログやツイッターでの情報発信も始めました。この院長のブログもその一環です。
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 病院案内のパンフレットも作りましたし、病院の広報誌も発刊しました。これらににきましては今後も内容の充実に努めたいと思います。

 このように、ハード面の改修、情報発信については少しずつ実現できているものと思います。しかし、医療の本質を考えたとき、患者さんに如何に関わっていくかというソフト面の向上が重要だと思います。

 それに関しては、地域医療連携室を立ち上げ、患者さんや他の医療機関との連携を高めるようなシステム整備をはかりました。短期集中リハビリ入院も始め、レスパイト入院の積極的な受け入れなども行っています。
 限られた施設機能、人員の中で、どれだけのことをやれるかが大きな課題ですが、当院を頼って下さる皆さんのためにより一層の努力をしていかなければなりません。

 
医療の基本は医療者と患者さんとの、人と人とのふれあいです。治療することを「手当」といいますが、まさに手を差し伸べて触れ合うことが人を癒すことにほかなりません。特に、根本的治療法のない神経難病の皆様に対してはより一層重要だと思います。
 
神経難病は、一般病院では長期的な対処が困難であり、患者さん、家族の皆さんにとっては、当院は最後のとりでであることを十分認識する必要があります
 入院しても病気は進行性であり、必ずしも元気になって退院するわけではありません。そのような人たちに何をなすべきか考えることは、我々の使命です。
 
病気は治せないにしても、病気を持っているがために受ける、肉体的・社会的不利、精神的苦痛を少しでも減らさなければなりませんし、減らすことはできるはずです。悩み苦しむ人たちに寄り添い、苦痛を分かち合うことはできるはずです。

 当院に受診して良かった、入院して良かったと、少しでも思っていただけるよう努力することが我々の使命であり、我々の喜びにもつながるものと思います。
 このことを忘れずに、これからも日々の業務に当たっていただきたいと思います。